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旅の終わりに

家に帰るまでが遠足。だから本当はまだ旅は終わっていない。

 

けれどもう鹿児島空港まで来てしまった。

 

私と旅に来たいと思う人はいるだろうか、

と思うが実はどうだっていいことだ。

 

あの断崖を登ったり降りたりすること。毎日死ぬかもなとぼんやり思いつつ、そして今死ぬ訳にはいかないんだと思い直すこと。

バカバカしいけどいつも思ってしまう。

切り立った崖から臨む荒い波。

そんなところで朝ごはんを食べるものではないと思うんだけれど。

その崖の上に建つホテルでドキドキしながら見ているひとがもしかしたらいるのかも。

釣り人だっているから多分平気なのさ。

朝陽と共にあるごはんの時間が一番大切。

 

そして山歩き。たまに道に迷う。

滝を見、水の落ちる音を聞く。

熱くてキラキラ光る温泉に入る。3度目にして冷たい水をザブザブかぶる、ということを知る。

 

宿の主、部屋仲間のはなしをぼんやり聞きたまに何か口を挟む。

血は繋がっていないけれどまるで親戚のような親しみを感じながら過ごす数日間。

 

旅は楽しい。一人だけれど豊かな時間、豊かな経験。

 

行きやすい道がきっとそこに、どこにもあるけれど、何故そこを通らないのかと思うけど、通れないんだ。

何故ならそこは私の道じゃないんだから。

 

私は私の道を歩く。見えないけれど。

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